決意と迷い -２-

ハルタ
『どうしたの？サトちゃん。
今日は日曜日なのにパピーとマミーは？
一人でお絵描きしてるの？』


サトー錦
『パピー おしごと。
マミー かまたま ねんねさせてる。』

















ハルタ
『そっか...、ごめんよ。
ちょっと僕も用事があったから遊んであげられなくって...』


サトー錦
『ううん。ちがうよ。
さとちゃん おえかき したかったの。
ここで ひとりで おえかきするの すきなの♪』


ハルタ
『そっか...。
もうお兄ちゃんだもんね...。
エライね、サトちゃんは。』











ハルタ
『サトちゃんはお絵描きするのがほんとに好きなんだね♪
とっても上手だし。』


サトー錦
『ありがと♪
おえかき するの すき。だいすき。
はるたと おんなじくらい だいすき♪』



ハルタ
『サトちゃん......。』

















ハルタ
『......サトちゃん。
僕は...キミに"だいすき"なんて言ってもらえるような奴じゃないよ。
僕なんか...全然ダメな奴だよ...。』










サトー錦
『......？』



ハルタ
『...チビだし。
運動音痴だし。
チビだし。
力は弱いし。
チビだし。
小春にウザいって言われるし。
チビだし。
モフモフとプニプニに弱いし。
チビだし...』













ハルタ
『僕は自分なんか嫌いだ。
なにやってもいつも空回り...。』


















ハルタ
『キミたち家族を護るって言っておいて、
結局僕はそんなことできなかった...』


















ハルタ
『チェリーの妊娠のこと、
口止めされていたのに感情に任せて話してしまった...。
そのせいで、
チェリーを危険な目に遭わせてしまった...。』

















ハルタ
『母さん...イヤ、ノッコさんを傷付けてしまった...。』















ハルタ
『ダリアさんを...失うところだった...。』

















サトー錦
『......。』


ハルタ
『全部、僕のせいだ。
僕は何もできなかった。
それどころか僕がヘタレなせいで、
たくさんの人に迷惑をかけている...。』
















随分と生ぬるい戯言をお吐きになるもので、
まだお尻の青い中学生でいらっしゃるのかと






たいした人生経験も無いくせにただの理想論を繰り広げ、
一丁前に人生悟ったような戯言を吐く





安っぽい"頑張って"と"ポジティブ"を振りかざし
人を救ったような幻想に酔っているお子様ですか。
















ハルタ
『僕は惑星チェリーの王様に......、
本当のことを言われたから腹が立ったのかもしれない。

...僕は全然成長してないんだ。
子供の頃から何ひとつ...。
母さんの幸せを奪ってしまったあの時から...
甘ったれで弱虫で...
僕は結局、昔から自分のことばっかりなんだ。』










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